Vol.3 おすすめマネーコラム

【人生100年時代】
人生100年時代、
老後に2000万円が不足!?

「老後2,000万円」。
公的年金以外に老後資金として2,000万円が必要と公表した金融庁HP掲載の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告書が話題になりました。

高齢夫婦無職世帯の家計収支

収入:実収入209,198円、可処分所得180,958円 支出:消費支出は235,477円。 不足分54,519円。

(注) 1 高齢夫婦無職世帯とは、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯である。
 2 図中の「社会保障給付」及び「その他」の割合(%)は、実収入に占める割合である。
 3 図中の「食料」から「その他の消費支出」までの割合(%)は、消費支出に占める割合である。

出典:総務省「家計調査報告(平成29年)」

特に注目を集めたのが、老後に必要なお金はいくらになるのかという部分。平均的な収入・支出の状況から、夫が65歳以上、妻が60歳以上の夫婦のみの無職の世帯では、年金収入だけでは足りず、毎月約5万円の赤字が出て、老後20年では約1,300万円、老後30年では約2,000万円の赤字になるとの試算がありました。
公的年金だけでは生活費が足りず、年金とは別に、多額の老後資金を自分で準備しなければならない、という認識が多くの人の中で広まったのです。

しかしながら、この試算はあくまでひとつの参考例。生活環境や生活スタイル、ライフイベントなど個人の状況によって老後に必要となる資産額は異なります。

長寿化が進み、「人生100年時代」とも言われる今、セカンドライフを自分らしく楽しみ、豊かに過ごすために、セカンドライフについてじっくり考えることから、老後に向けた準備を始めてみませんか。

理想的なセカンドライフとは?

リタイア後、自分がどんな老後を過ごしているか、イメージしたことはありますか?
老後については、まだ真剣に考えたことがないという方や、老後はのんびり過ごしたいと漠然と考えている方も多いかもしれません。

人生の円熟期において、実現したいと思う夢
-ジャンル別回答数-(自由回答形式)

旅行235人 健康・長生き51人 お金37人 スポーツ・運動24人 のんびり過ごす23人 孫・ひ孫23人 移住(国内)22人 海外生活・ロングステイ18人 音楽16人 教養14人 自由14人 住宅14人 出版14人 家族13人 仕事13人

※上位15項目を抜粋

出典:「人生の円熟期“プレミアムエイジ”と理想のセカンドライフに関する意識調査」日本ロングライフ株式会社調べ

日本ロングライフ株式会社が全国の60歳〜79歳の男女を対象に「人生の円熟期において、実現したいと思う夢」を調査したところ、「旅行」「健康・長生き」「お金」が上位にランクインしました。
また、「スポーツ・運動」や「のんびり過ごす」、「音楽」など、多彩なジャンルにも回答がみられました。

自由な時間を使って、趣味に専念したり、今までできなかったことに挑戦したり、楽しみ方は人それぞれです。
好きな仕事を続けていきたいのか、早めにリタイアして旅行など余暇の時間を楽しみたいのか。
どんなセカンドライフにしたいのか、自分らしい生活のイメージを描いてみましょう。

セカンドライフに対する不安や悩みは尽きない

一方で、「老後」には、漠然としながらも様々な不安を感じている方も多いようです。

老後生活に対する不安の内容

公的年金だけでは不十分82.8% 日常生活に支障が出る57.4% 退職金や企業年金だけでは不十分38.8% 自助努力による準備が不足する38.5% 仕事が確保できない31.6% 配偶者に先立たれ経済的に苦しくなる21.9% 貯蓄などの準備資金が目減りする16.0% 子どもからの援助が期待できない13.8% 利息・配当週にっが期待どおりにならない11.5% 住居が確保できない5.4% その他0.7% わからない0.3%

出典:公益財団法人 生命保険文化センター「令和元年度生活保障に関する調査(速報版)」をもとに労働金庫連合会作成

「老後生活に対する不安の内容」をまとめた上記の調査によると、8割以上の人が老後生活に対して不安を抱えており、不安の内容としては、年齢を重ねることで日常生活に支障が出るのではないかという健康についての不安だけではなく、「公的年金だけでは不十分」や「退職金や企業年金だけでは不十分」、「自助努力による準備が不足する」などお金についての不安が多いことがわかります。

では、いったい、老後にどのくらいのお金が必要なのでしょうか。いくらあれば安心という数字を出すことはできませんが、目安として、平均的なデータ等をもとにイメージしてみましょう。

金融庁の報告書によると、収入が年金だけの夫が65歳以上、妻が60歳以上の夫婦のみの無職の世帯の平均的なケースでは、1ヵ月の実収入は約21万円であるのに対して、実支出は約26万円であり、年金だけでは毎月約5万円が不足するとしています。

高齢夫婦無職世帯の主な家計支出
(約23.5万円)の内訳

食料6.4万円 住居1.4万円 光熱費・水道1.9万円 家具・家事用品0.9万円 被服・履物0.6万円 保険医療1.6万円 交通・通信2.8万円 教養娯楽2.5万円 その他消費支出5.4万円

出典:総務省「家計調査報告(家計収支編)平成29年(2017年)平均速報結果の概要」をもとに労働金庫連合会作成

一般的な生活水準で生活していくには、月々5万円程度を年金以外でカバーする必要があり、これを単純に計算すると、老後20年で約1,300万円、30年で約2,000万円になります。

収入約21万円 - 支出約26万円 = 不足額 5万円

一般的な生活水準で20年・30年
過ごすとすると

20年→約5万円×12ヵ月×20年=約1300万円不足 30年→約5万円×12ヵ月×30年=約2000万円不足

かつて、年金とともに老後の生活を大いに支えていた退職金の平均金額はピーク時から3〜4割減少。転職やフリーランスなど多様な働き方の広がりに伴って、まとまった退職金を受取れないケースもあり、退職金では不足する場合もあります。
また、老後は、生活費以外に保健・医療への急な出費が重なったり、住宅のリフォームや、自分自身の介護に限らず老老介護が必要になる可能性も……。

年金と退職金だけでは不足するとなると、働いて収入を得るか、貯蓄の準備など資産を形成しておいて、それを取崩しながら足りない分をまかなっていくことになります。
働いて収入を得ることで、貯蓄を温存し、当面の生活費をカバーしている方も少なくありません。

約2000万円 - 退職金 + 年金 = 不足分

老後20年1,300万円、30年2,000万円は、あくまでも一定の前提条件で算出した金額です。老後に必要なお金は、暮らし方によって変わります。自分に必要なお金をより具体的にイメージしてみることが大切です。
老後の主な収入源となる年金については、毎年誕生月に送られてくる通知書「ねんきん定期便」やWebサイト「ねんきんネット」で将来受取る年金の見込額を確認できます。
退職金の受取見込額も確認したら、どんな生活を送りたいのかをイメージし、自分に近い数字でシミュレーションしてみましょう。

日本人の平均寿命は?

平均寿命の推移と将来推計

  • 平均寿命の推移と将来推計の男性イメージ
  • 平均寿命の推移と将来推計の女性イメージ

出典:内閣府「平成30年版高齢社会白書」

「自分は100年も生きないだろうから……」という方もいるかもしれませんが、日本人の平均寿命は延び続けています。
2019年に厚生労働省から発表された「平成30年簡易生命表」によると、平均寿命は男性が81.25年、女性が87.32年となっています。
また、内閣府の「平成30年版高齢社会白書」によると、これからも平均寿命は延び続け、2065年には男性が84.95歳、女性が91.35歳まで生きると見込まれています。

60歳の
平均余命

男性+23.84 → 約84歳 女性+29.04年 → 約89歳

表は横にスライドして閲覧できます。

平均余命 40歳時 50歳時 60歳時 70歳時 80歳時
男性 42.20 32.74 23.84 15.84 9.06
女性 47.97 38.36 29.04 20.10 11.91

出典:厚生労働省「平成30年簡易生命表」をもとに労働金庫連合会作成

さらに、現状では、男性の4人に1人は90歳まで、女性の4人に1人は95歳まで生きるとされ、現在のシニア世代はより長寿であり、文字どおり「人生100年時代」を迎えつつあります。

男性:75歳まで生きる可能性は約75.6% 90歳まで生きる可能性は約 26.5% | 女性:90歳まで生きる可能性は約 50.5% 95歳まで生きる可能性は約26%

出典:厚生労働省「平成30年簡易生命表」をもとに労働金庫連合会作成

人生100年時代、長くなる人生をより楽しく生きていきたいですよね。
そのためには、生命寿命の長寿化にあわせて、「健康寿命」と「資産寿命」を延ばすことがカギになります。

セカンドライフのカギ

その1

健康寿命

「健康寿命」とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」であり、介護や人の助けを借りずに起床、衣類の着脱、食事、入浴など普段の生活の動作が1人ででき、健康的な日常を送ることができる期間といわれます。

健康寿命と平均寿命の推移

  • 健康寿命と平均寿命の推移の男性イメージ
  • 健康寿命と平均寿命の推移の女性イメージ

出典:平均寿命:2001・2004・2007・2013・2016年は、厚生労働省「簡易生命表」、2010年は「完全生命表」
健康寿命:2001・2004・2007・2010年は、厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」、2013・2016年は「第11回健康日本21(第二次)推進専門医委員会資料」

出典:内閣府「平成30年版高齢社会白書」

今のところ、日本人の「健康寿命」は男性が72.14年(平均寿命との差は8.84年)、女性が74.79年(平均寿命との差は12.35年)といわれていますが、健康寿命は、平均寿命とともに長期化する傾向にあり、平均寿命と健康寿命の差の期間は縮小してきています。

長い人生を豊かに生きるためには、できるだけ「健康寿命」を延ばすことが大切です。健康ならば長く働いて、収入を得ることもでき、高齢期に増加する医療費の負担を減らせるメリットもあります。趣味や旅行などを楽しむためにも健康は欠かせません。

健康を持続するために、適度な運動や食生活の改善、定期的な健診等により健康管理や体力づくりに取組むなど、今できることを考えていきましょう。

その2

資産寿命

健康寿命とともに、忘れてはいけないのが「資産寿命」。「資産寿命」とは「老後の生活を営むにあたって、それまで形成してきた資産が尽きるまでの期間」のことで、蓄えてきた資産が底をついた後は、年金等の収入のみで生活していくことになります。

人生が長くなるほど、老後の生活に必要な資産も多くなります。何もしないと不安はますます大きくなりますが、老後に向けた資産の形成や取崩しには様々な方法や選択肢があります。
まとまったお金を急に準備するのは難しいかもしれませんが、今から少しずつ準備して、時間をかけて備えるなら、毎月の負担は比較的少額になります。そして、老後に向けた準備を早く始め、老後までの時間が長ければ、より選択肢も増えます。

充実した生活を送るために、まずは、自分の退職後の家計収支の「見える化」によって収支状況を把握し、自分のライフプラン、ライフステージにあった方法で金融資産を積み上げ、「資産寿命」を延ばしておきましょう。

多様化するライフスタイル。
自分に必要な備えを。

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