労金連は、「ろうきんの理念」にある“人々が喜びをもって共生できる社会の実現に寄与すること”を実現するため、経営方針に「社会的責任(CSR)を重視した誠実な経営」を掲げています。この経営方針を実践し、SDGsを達成していくため、持続可能な社会の実現をめざす金融の担い手として、勤労者を取り巻く社会的課題の解決につながる資金循環をつくりだしていく責任があると考え、ESG投融資に取り組んでいます。

ESG投融資とは?
ESG投融資とは、投融資先の決定にあたって、財務分析だけでなく、環境(E:Environmental)・社会(S:Social)・企業統治(G:Corporate Governance)の課題を考慮し、投融資を行うものです。
労金連のESG投融資推進体制
ESG投融資原則
労金連(以下、本会)は、持続可能な社会をめざす金融の担い手として、投融資の判断にあたっては、財務的分析に加えて、ESG課題を考慮することとし、次の取組みを行います。
- 本会は、投融資に係る分析と意思決定のプロセスに可能な限りESG課題を組み込みます。
- 本会は、持続可能な社会の実現に向けて、投融資先企業とのエンゲージメント活動に取り組みます。また、株主議決権を行使するにあたっては、 ESG課題を考慮します。
- 本会は、投融資先のESG課題に関する適切かつ十分な開示を重視します。
- 本会は、投融資先に求める社会性について認識を深めるとともに、自らのESG課題に対しても真摯に取り組みます。
- 本会は、本原則の実行に関する活動状況や進捗状況を適正に管理します。
経営管理委員会
労金連は、「ろうきんSDGs行動指針」および「労金連のESG投融資原則」に基づき、ESG課題にポジティブな企業へ積極的に投融資するため、「ESG投融資推進委員会」を設置してきましたが、2024年4月以降、全役員・全部長が出席する経営管理委員会に統合しました。従来のESG投融資推進委員会の機能・役割を果たしていくとともに、脱炭素・気候変動問題等のサステナビリティ課題全般を統括し総合的に推進・管理していく運営態勢とし、引き続きESG投融資の取組みを進めてまいります。
| 開催頻度 | 原則月1回 |
|---|---|
| 委員 | 役員(執行役員を含む)、全部長 |
| 審議 事項等 |
|
ESG投融資の実践
労金連は、全国の〈ろうきん〉の貸出金以外の運用可能な余裕資金を労金連に集中し、効率的に運用するなかで、投資先企業のESG課題への取組みに配慮したESG投融資を実践しています。またインパクトファンドなど、持続可能で包摂的な世界の実現に向け、好ましいインパクトをもたらす企業への投融資を行っています。
ESG投融資の実績の推移

2024年度末のESG投融資の実績
| ファンド・債券・ 株式・シンジケート ローン |
投融資残高 | |
|---|---|---|
| 2023 年度末 |
2024 年度末 |
|
| ESGファンドへの投資 | 415億円 | 420億円 |
| 環境債・社会貢献債等への債券投資 | 1,888億円 | 2,590億円 |
| うち、環境債(グリーンボンド) | (675億円) | (808億円) |
| うち、社会貢献債(ソーシャルボンド) | (297億円) | (657億円) |
| うち、サステナビリティボンド等 | (915億円) | (1,125億円) |
| ESG課題を重視した株式投資 | 180億円 | 188億円 |
| ESG課題を重視したシンジケートローンへの融資 | 13億円 | 13億円 |
| 合計 | 2,496 億円 |
3,212 億円 |
なぜ「ESG」の中でも「S」の取組みに注力しているのか
労金連におけるポジティブスクリーニングの審査においては、ESG課題の中でも「S:社会(労働環境)」に重点を置いた評価を行い、投資の判断材料としています。「人材活用」の分野において、就業機会の拡大や、意欲・能力を存分に発揮できるような環境整備など、労働環境の改善に積極的に取り組む企業を高く評価し、そうした労働環境改善にポジティブな企業への投資を推進していくことは、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」や「育児や介護との両立など、働く人のニーズの多様化」などの社会的課題の解決にもつながると考えています。
「ろうきん」は、働く人の置かれた個々の事情に応じて、多様な働き方が選択できる社会を実現し、働く人一人ひとりがよりよい将来の展望を持てるよう、働く人のための福祉金融機関としての役割をより一層、発揮していきます。