導入にあたっての大前提と留意すべきこと
労使合意が大前提である。企業が従業員に対して加入者および受給者の利益の確保とその追求をしっかり行うこと。合わせて受給権の付与などを担保すること。
制度を導入するにあたって、留意すべき点は以下の通り。
    企業が拠出するものを、従業員に対して100%元本保証出来る選択肢を用意すること
    運用や投資に関わる十分な情報を随時提供すること
    資産運用に関わって、日常の仕事がおろそかにならないように、導入時、導入後に資産運用教育を恒常的に行うこと
    受託責任を持った資産運用のコンサルタントの紹介を行うこと
    管理や運用に関わるコストは、企業が負担すること
具体的に労使が取り組むべきこと
    既存の退職金や企業年金から確定拠出型年金への移行は本人に選択権を
       今度の確定拠出型年金は、既存の退職金・企業年金を確定拠出年金へ移行させたいとするねらいがあることは確かである。この制度がアメリカの401Kをモデルにしているが、アメリカでは確定給付型企業年金からの移行には、歯止めがかけられておりペナルティもある。一方確定拠出の拠出額については自由度があったり、退職時の給付やポータビリティなどについても、制度の柔軟性、機動性が生かされている。これらのことについて、留意する必要がある。
      ◎ 考えられる移行の形態
     
新入社員からの順次移行
既存の企業年金・退職金の部分移行→確定給付型と確定拠出型の併存
既存の企業年金部分だけの移行→企業年金の一部移行を含む
退職一時金部分の移行→退職金の一部移行を含む
既存の企業年金・退職金の全部移行(既存制度の廃止)
      これらについては、労働協約や就業規則の改訂が必要となる。また既存制度の縮小や廃止に伴う資産の分配が発生する。その際いかに公正・公平に分配するかが焦点となる。
移行にあたって不利益が生じないようにしなければならない。従って移行についての選択権は、加入者に与えるべきである。

    受給権の確立
       労使協議の結果として、企業が拠出した時点で加入者の財産となるように、受給権を明確にする。

    加入対象範囲の拡大
       急速な少子高齢化の進展と労働力が、減少するという大きな流れがあるなかで、雇用市場の活性化に向けて、様々な働き方の人たちへの支援は、今後私たちが欠くことの出来ない取り組みである。従って旧来の発想ではなく多様な働き方の人も、加入対象となるように労使間で協議する必要がある。

    確定給付の退職金、企業年金から確定拠出型への移行は、等価交換を厳守
       労使合意がすべてに先駆けて大前提であり、移行が会社の都合によるものがたいせいであり、そのことが出発点である。この場合加入者が不利益な変更にならないように、運用のリスクを個人に帰することのない、設計をすることが大切である。移行は本人の選択によるものとすべきである。
 等価交換にあたっては、会社都合による退職の場合を想定した設計をするべきである。

    様々な退職金制度の見直しと確定拠出型年金
       退職金制度を取り巻く環境は、新会計基準の導入や人事処遇、賃金制度の見直しがされるなかで、さらに積極的に進められることは必至である。確定拠出年金もその選択肢とするなら、現行退職金制度との対比をさせながら、税制など広範な視点で慎重な検討がのぞまれる。




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